表千家不審菴：静聴松風：聚光院と利休居士のこと［山本兼一氏］

世界の喫茶文化

茶の湯の伝統

利休の茶の湯とその流れ

茶室と露地

利休居士を主人公とした小説作品を書きましたが、わたしは茶の湯の文化について語ることなど、なにももっておりません。作品を書くにあたりましては、大徳寺の塔頭瑞峯院でのお稽古会に参加させていただきましたが、せいぜい二年か三年、それもかなり欠席がちのいい加減な生徒でした。
茶の湯の世界とは縁の薄いわたしですが、ただ、利休居士のことだけは、幼児のころから脳裏にくっきり焼き付いていました。それには、はなはだ個人的ないきさつがあります。

（撮影・君塚和子）

山本兼一（やまもとけんいち）氏

小説家

昭和31年
京都に生まれる
昭和55年
同志社大学文学部卒業
平成21年
『利休にたずねよ』第140回直木賞受賞
平成26年
2月13日にご逝去されました