|
 |
 |

祇園囃子が響き渡る季節、私も末席に加えていただいている京都而妙会が受け持つ祇園茶会が一力亭で催されます。四年前に初めてご奉仕に伺ったのですが、幹事さんがご親切に心得を教えてくれました。
「不慣れな袴でご苦労さんですが、お運びの舞妓さんの裾だけは踏まんように」
午前、午後と千二百人ものお客様をお迎えしてみると、じつに的確な助言であったことが分かりました。八人の舞妓さんが点てだしの茶碗を優雅な所作でお客様に運び、而妙会のわれわれが引きに出るのです。短かい時間で一席に四〇人ものお客さんをお迎えするのですから、思わず裾を踏みかけて、冷や汗をかいたこともあります。
|
| |
|
|