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一服の茶には数えきれないほどの人々の手を経て、今こうして私たちは茶を楽しんでいる。そこにも感謝の心を捧げねばならない。
さらには、茶杓に盛られた一杓の抹茶は、あのすばらしい緑色の粉末は、つまり太陽と大地天地の恵みの結晶である。つまりこれは神さまからの賜わりもの、神さまからの授かりものなのではないだろうか。私はここに神の恵みを感ぜずには居られない。
一碗の茶を戴くことは、亭主への感謝の表現のほかに森羅万象にこの恵みを戴く感謝の心をこめて押し戴きたいものである。
家元が全国の神社佛閣に心をこめて献茶をされる姿は申すまでもなくこれの体現である。
江戸時代の国学者 本居宣長

食つ物 百々の木草も 天照らす
日の大神の 惠み得てこそ
(たなつもの もものきぐさも あまてらす ひのおおかみの めぐみえてこそ)
食つ物(たなつもの)とはすべての食べ物のこと。
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