表千家不審菴：静聴松風：お茶、至福の時［片山九郎右衛門氏］

父、片山幽雪（九世片山九郎右衛門）が亡くなって一年目に、皆様のご好意によりお茶の世界に誘っていただきました。
父の代わりにどうぞとのことであったのでしょうが、厚かましくもお茶事にまで寄せていただくこととなりました。
そこはもう見様見真似で周囲の方々には本当にご迷惑をおかけして申し訳なかったと思い乍らも、お声がけいただいて本当に良かったと思いました。
その時は何せ父が亡くなりまだ一年経とうかどうかという頃合で、知っていると思っていたことがスキ間だらけで、ものの役に立たず、無力と焦り、そして周囲に虚勢を張り、考える間もなく動き続けておりました。
お誘いいただいたのは丁度そんな頃だったのです。