表千家不審菴：静聴松風：令和の御代に想う［西高辻󠄀信良氏］

令和元年5月1日、畏くも新帝陛下が御即位あそばされ、新しい御代が幕を開けました。私達国民にとりましても、この上ない一大慶事であり、誠に慶びに堪えません。皇室敬慕の念を涵養（かんよう）し、我が国の悠久の歴史の中で連綿と続く麗しい伝統を受け継いでゆく重要性を改めて深く感じたところです。
この慶事の余韻が続く中、令和元年5月7日には九州茶道館40周年記念茶会が500名強、8・9日には第78回全国大会福岡大会が1100名強と全国の同門の皆様のご参会のもと盛大に開催されました。
私は、僭越ながら福岡県支部長として薄茶席の席主のご奉仕をさせていただきましたが、この大役にどのような設えを行い、皆様方をお迎えするべきか相当悩んだものです。やはり、御代替わりの慶事と猶有斎御家元のご襲名後初の全国大会を祝し、菅原道真公が永久にお鎮まりになる太宰府天満宮ならではのおもてなしをしたい一心でありました。そして、この節目の年に先人に想いを馳せて有意義な時間でありたいと。