私が幼少の頃、太宰府政庁跡を先代宮司の父と歩いていると、「梅花の宴の大伴旅人の姿が見えるか」と問われました。当時の私にはこの言葉の意味が理解できませんでしたが、30余年宮司を務め、ようやくこの言葉の意味に合点が行きました。その時代を生きた先人は、どのようなことを考え、どのような景色を描いたのか。果たして現在の景色は、先人たちの思い描いたものであるのか。このように常に先人たちに想いを馳せることが大切であると気づいたのです。
今、我々は新たなる輝かしい時代への転換期を迎えています。千利休居士に想いを馳せ、御家元にご指導いただき、まずは次の10年後に向けて皆様と共に歩みを進めてまいりたく存じます。
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