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初釜用のお道具として毎年、お家元に「干支の水指」をお納めしております。これは即中斎宗匠が還暦を迎えられた昭和36年、丑年の宗匠にちなみ、父即全が、朱の手桶水指に金襴で梅を描いたものを納めたのが最初で、その後、私が引き継ぎ、代を譲った今では息子の善五郎が手がけております。干支の水指は動物がモチーフとなりますが、初釜の席で用いられる朱の柱の台子に取り合わせるため、少し華やかなものを心がけております。
わが家でつくる道具は絵を描いたものが多いので、意匠については常に、なんとはなしに考えをめぐらせております。干支の水指は、夏頃までに構想ができれば、一度それを形にして修正することもできますが、10月頃になってもまだ意匠が思い浮かばず、思いの外、制作に苦労する年もあります。
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