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如心斎(じょしんさい)と彭祖宗哲(ほうそそうてつ)の画賛にも名残の茶を興じた連句の掛物がありますが、古の文人・歌人の詩から揮毛され表具された掛物もあると思います。中唐の政治家・張継の漢詩「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」の中にある「月落烏啼霜満天(月落ち 烏啼いて 霜天に満つ)」という語句があります。こういった中から一句を掛物として床に掛け秋の夜長を楽しむのも良いかもしれません。
道具も風炉の名残を感じる組み合わせになります。鉄風炉も丸灰に限ってではありますが、掻き上げ灰を行った物や破(や)れ風炉に尾垂釜等といった侘びた風情の道具を用い、花は盛夏を過ぎ小さく寂しい花や、花壇を彩った花々の残花を花入に生けると侘しさをより深く感じるのではないでしょうか。
ただ、この名残で間違ってはならない事は名残を惜しむ心を大切にする事であり、掃除や道具の手入れはなお一層丁寧に行う事が大切だという事を心に留めおいて頂きたく思います。
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稲塚花入に吹上菊
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