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備前水指 如心斎銘 玉柏
 中興名物金華山窯玉柏手茶入に似ていることから如心斎が付けられた銘
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即中斎好 春慶塗 青貝入カブト蒔絵香合
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青々とした若葉が生い茂り、緑の香り一色に山々が覆われる5月。家元では毎月の職家・5月の際は大徳寺玉林院9世 龍門宗禹(そうう)和尚筆『五月初一』がよく床にかかります。この文句の1字『月』の字は即中斎が好まれ、御自身の字としてよく用いられました。 またこの時期の茶会、端午の節句や流鏑馬(やぶさめ)神事も近いこともあり、神事の道具組が用いられます。菖蒲を生けたり烏帽子箱(えぼしばこ)や玉柏(たまかしわ)といった水指、あるいは而妙斎初節句の折に即中斎が好まれたカブト香合、過去には紀州公より拝領した糸カブトを床に飾られたこともありました。 この端午の節句、5月5日に定着したのは三国志の時代、魏まで遡ります。元は5月の最初の午の日とされていた端午の日。5月5日には邪気を払い無病息災を願い瓢箪形や円形の袋を飾る、あるいは香りが強い植物が魔を払うとして菖蒲の根を薬玉(くすだま)にいれたり、ヨモギを飾る習慣がありました。また菖蒲が尚武(しょうぶ)に通じるとされ、中世以降の武家社会では、葉が剣形をしていることから邪気を払うこと、その香気が降魔の力が持つとされてきました。そのことが合わさり現代の端午の節句となります。
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