世界の喫茶文化

茶の湯の伝統

利休の茶の湯とその流れ

茶室と露地

形とふるまい

茶の湯の道具

茶の湯の楽しみ

静聴松風

茶人のことば

表千家の茶事

内弟子「玄関」の一年

四月 三八稽古

五月 初風炉

六月 梅雨の頃

七月 夏を迎えて

八月 残暑見舞

九月 初秋の候

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茶の湯の歳時

茶の湯の菓子

茶室への誘い

利休をたずねる

花所望

9月になると秋の献茶が始まります。
明治13年1月13日、北野天満宮において碌々斎による献茶が行われました。これが今日各地で行われている献茶の始まりといわれています。それまで一般の人の前で行われることのなかった秘伝の台子点前(だいすてまえ)が公開されました。
宗匠方は、神前又は仏前において濃茶・薄茶を点てられ、神仏に捧げます。献茶は宗匠方にとり最高の儀式であり、身を清め、心を込めて奉仕されるので、極めて厳粛な儀式であります。献茶は台子飾りで行うのが常で、始めに炭をつぎ、香を焚き、濃茶、薄茶を点てられます。点前のあいだは美濃紙で作ったマスクをかけられます。そのマスクを覆面(ふくめん)と言っており、これを作るのも若手玄関の大事な仕事です。宗匠方の顔に添(そ)った形でなければいけないので、作る方も真剣です。

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