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9月になると秋の献茶が始まります。
明治13年1月13日、北野天満宮において碌々斎による献茶が行われました。これが今日各地で行われている献茶の始まりといわれています。それまで一般の人の前で行われることのなかった秘伝の台子点前(だいすてまえ)が公開されました。 宗匠方は、神前又は仏前において濃茶・薄茶を点てられ、神仏に捧げます。献茶は宗匠方にとり最高の儀式であり、身を清め、心を込めて奉仕されるので、極めて厳粛な儀式であります。献茶は台子飾りで行うのが常で、始めに炭をつぎ、香を焚き、濃茶、薄茶を点てられます。点前のあいだは美濃紙で作ったマスクをかけられます。そのマスクを覆面(ふくめん)と言っており、これを作るのも若手玄関の大事な仕事です。宗匠方の顔に添(そ)った形でなければいけないので、作る方も真剣です。
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