3)『茶の本』『喫茶養生記』でも紹介されているのが唐代に茶聖あるいは茶仙と呼ばれ、詩人・文化人でもあった陸羽(字鴻漸733~804)による『茶経』です。2001年に中国杭州の西湖付近の龍井茶園を訪問したおりその庭園で目にしたのが茶聖陸羽の像でした。彼は竟陵(きょうりゅう)(現在の湖北省大門県)の出身で龍蓋寺の智積禅師に育てられましたが修行が厳しく11才の時、寺を出て芝居小屋に飛び込みました。
そこで脚本を書くようになりその才能を李斎物という太守(郡の長官)が認め鄒(しゅ)夫子という儒学者の下で5年余り勉強させました。その後崔国輔という詩人で才能ある官僚や詩僧であり茶僧である皎(こう)然、官僚で詩人の皇甫兄弟さらには楷書の顔体で有名な顔真卿等多くの官人、詩人、僧や貴人との交流を深めると共に茶に親しみ、茶を研究し、良質な茶木と水を求めて旅し、それらを評価してまとめたのが『茶経』であります。
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