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たとえば、大寄せのお茶席などはお席の中が明るいので、お菓子の色は自然の光で見た本来の色と同じに見えます。ところが小間の茶室の場合はお席の中が暗く、ほの暗き電球のような明るさがほとんどですから、自然の光では若草色に見える菓子もお席では赤味が差して黄色く見えてしまうのです。ですから、菓子の色味というのは、どのような明るさの茶室で使うのかによって調整する必要があり、小間の場合は自然の光で見て、濃いくらいの色がちょうどよいことを教わりました。
また、ご自身でお考えになった菓子を絵に描き、こういう菓子作ってくれという注文もございました。なかなか納得していただけるものに仕上がりませんでしたが、まだ先方様の頭のなかにしか存在しない菓子を、こちらも一生懸命イメージしながら具体的な菓子に作り上げてゆく行程は楽しかったです。と同時に、菓子の製法の上での限界もしり、たくさん勉強させていただきました。
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