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蘭陵王を舞う東儀氏 |
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 私たちの先祖が、外国から入ってきたものをこの風土に合うように、日本人の気質に合うように時間をかけて整理整頓されて、日本の文化としての命が生まれ、それが私の血として流れているだけのように感じます。
その思いから、従順に雅楽に身を寄せている自分を受けとめることができるのです。慮(おもんぱか)りや敬(うやま)い、もてなし、音楽を神仏に捧げて、人間の心を天地にさしだすということは、人の心を浄化する行為でしょうし、その敬意が、形を生み、今日、伝統として私たちの心に自然に織り込まれているのでしょう。
おそらく責任感や使命感だけではけして文化を継承する力にはならないと思っています。ただこの日本を日本人として美しいと思う、その日本人としての矜持(きょうじ)が、自然に私に音を奏でさせているような気がしています。
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