芸妓さんや舞妓さんは酌婦ではありません。「芸」があってこその「芸妓・舞妓」なのです。 お客様の中には、「舞はわからないからいらない」とおっしゃる方もあります。でも、「舞」だけはできるだけご覧くださいとお願いします。これがなければ、祇園ではないからです。芸妓さんや舞妓さんの立ち居振る舞いは、芸の裏打ちがあってこそのものです。お客様に見ていただくからこそ、稽古に身を入れるのです。 ですから、お茶屋のお客様になるということは、この先も芸妓さんや舞妓さんの応援団になっていただくということであり、一度利用したから満足してもう終わりというものではないのです。 「一見さんお断り」を習わしとしておりますと、敷居の高い座敷とも言われがちですが、ここには「末永くお付き合いください」という問いかけが込められているのです。
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