|
 |
 |

私が申し上げるのはおこがましいことですが、お客様をお迎えしてもてなす心には、お茶の世界から教えていただいたことはたくさんあります。お茶屋でも根本的なところは同じではないかと感じています。亭主の側だけでなく、お客様にも作法がある。お客様と同じ時を過ごさせていただくからこそ、どなたにも精一杯楽しんでいただけるよう心を砕く。それを芸妓さんや舞妓さんたちがわかって気張ってくれて、よろこんでいただき、またとない一座ができる、これが嬉しい限りです。
ところで、一力亭の廊下には古いガス灯に、電灯をつけています。これは、主人がお家元のお初釜にお呼ばれした時に拝見して感動し、同じようにさせていただいたものです。昔からあるものを大切にし、今の時代に工夫して使う。ここには、お茶から学んだもうひとつの心が、活かされていると感じています。
|
| |
|
|