お茶屋の文化をご理解いただけるお客様が減り、後継者もなくお茶屋が続けられなくなって人手にわたるのを見るたびに、「時代の流れ」とはいえ、悲しいものを感じます。それは、舞妓さんたちにも陰を落としています。事情はさまざまあるでしょうが、襟替えの後、芸妓さんを続けてくれる若い人が少なくなったのが淋しい限りです。芸の円熟味は、20年30年とお稽古を積み重ねたところにあります。それを理解して大事にしてくださるお客様が、また、それに応えてくれる芸妓さんが増えてほしいものです。
祇園町の伝統が、たんなるテーマパークと化してしまうのではと、不安になることもあります。うわべだけの興味や花見小路の歴史的景観の保全に終始せず、日本の心、京都の心をしっかりと伝えていく祇園町であり続けてほしいと願っております。
|