約10年前、左海祥二郎理事長より、北山会館で茶懐石の講演をと御依頼がございました。
丁度、息子が修行から帰って参りました折でしたので、親子共演で朝茶事の懐石を披露させて頂きました。5月でしたので、参加者の皆様からはこの折のレシピで7月の朝茶事の懐石が上手く出来たと、後日伺いほっと致しました。
そもそも、懐石は、ご亭主の手料理が本来ですので、上手、下手を考え過ぎにならない様、品数は少なくとも、是非手造りでおもてなしになれば、お客様はもとより、 ご亭主自身が一層楽しくなられると思います。
料理は繰り返す度に、発見があり、上達につながりますので、恐れずに挑戦をなさって欲しいと思います。先ずは、稽古茶事の懐石からどうぞ。
私も、表千家流の茶の湯の根底に流れる「思いやりの心」を幾度も感じながら勉強をさせていただき、40年余りの歳月が流れました。今振り返って思いますと、お茶事の懐石の御用に参上致しました折に、料理の事はもとより、ご亭主自ら水屋で様々なおもてなしの準備をされ、また半東さんに色々と指示をされます、その一生懸命のご様子を間近で拝見させて頂くことができましたことが、今日の私の仕事に大きく影響しております事を改めて感じております。
本当に有難いことでございました。
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