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而妙斎好 赤字金襴手菊・若松 一双茶碗 永樂善五郎作 |
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気がつくと、即中斎宗匠、而妙斎宗匠のお道具を造らせていただくようになってから、50年が過ぎ、いつのまにか職家の長老となり、猶有斎宗匠のご襲名にも恵まれました。
職家の一員として、お家元宗匠が望んでいらっしゃるお茶がわかってくるようになると、その美学や哲学を津々浦々まで伝える、お好み道具が持つ重みを、身をもって感じます。茶の湯の道具にはそういう力があるわけですから、お家元宗匠のご意向を如何に汲み取って、どのように作るかが求められます。しかし、つねにそれに応えられるだけの技術とセンスがないと話になりません。それには、自分の頭で考え、思考をひろげてくれるものを、たくさん身につけることが必要ではないでしょうか。これはわたしの家のみならず、陶芸を目指す若い人たちにとっても重要なことだと思っています。
お家元宗匠のお求めに応え、わたしの茶道具を使っていただくことで茶会や稽古の場に喜びや和みが生まれ、楽しんでお茶を飲んでいただける。そういうものをつくる。これが永樂の家の仕事だと思っています。
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