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私ども柳桜園茶舗には老舗たる格好もなく、伝承など聞き及んではおりませんが、一代一代真摯に茶の品質に向き合ってまいりました。宇治の問屋で挽いた抹茶を仕入れているお茶屋が多くなる中、今も変わらずに店内での石臼挽きにこだわり、新鮮な抹茶をご提供しております。そこで茶臼についてお話させていただこうと思います。
大正の頃まで、お茶屋は葉っぱの状態である碾茶(てんちゃ)を販売する「葉売り」が主流であり、抹茶は点てて飲む人が自ら茶臼で挽いていましたが、昭和の初期にかけて電気を動力に回転させる臼が登場したことにより「挽き売り」へと移行していきました。挽くための道具自体は変わらずに、手動から自動化したことにより、長時間でも一定の回転をするため、挽く抹茶の粒子が均一化され品質は向上しました。
現在、菓子や食品への抹茶の需要のさらなる高まりを受け、石臼挽きに代わる様々な粉砕機が登場しています。金属球で粉砕するボールミルや、気流を利用するジェットミルなどがあり、電動でも1台で1時間に約40gしか挽けない石臼挽きに比べ、能率が良くコストを安く製造することはできますが、味・香りの品質においては茶臼に勝る粉砕機は見当たりません。
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