茶臼は上臼、下臼ともに8つの区画に、各10~15本程度の溝(目)が切られています。上下両面の溝は45度の角度で交差するようになっており、さながら多数のハサミで幾度となく裁断される様に茶葉が粉砕されていきます。上臼を左回り(反時計回り)に回転させると、この溝が交差する点は外へ外へと移動し、それによって茶葉は臼の中心から外へ送られていき、下臼にある受け皿に落ちていきます。茶臼は他の石臼と違い、周縁部約5mmの幅で溝が止まっています。この部分を「外周平滑面(がいしゅうへいかつめん)」といい、臼の最後の部分ですり潰すことで抹茶独特の細かい粉状に粉砕されるのですが、この工夫は利休以降の時代の茶臼でみられる特徴です。
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