表千家不審菴：静聴松風：代を譲って、思い出すこと［土田照雪氏］

早いもので、すでに4年が経ちますが、平成30年2月28日、猶有斎宗匠が表千家15代家元をご襲名され、而妙斎宗匠は代を譲られて、宗旦とご改名されました。そのおめでたいご襲名の儀において、職家と家元内弟子方を代表して僭越ながら私が、ご挨拶をさせていただきました。たいへん名誉なことで、職家として過ごしてきた年月の中でも特別な経験として、生涯の忘れられない思い出となりました。
猶有斎宗匠のご襲名の茶事は、新型コロナウイルスの影響によって延期されていますが、私ども職家一同は、それ以前、習礼（しゅらい）の席で最初にお招きいただきました。私は正客を勤めさせていただいたのですが、長老としての責任を感じた次第です。また、いよいよ職家も代替わりをして、猶有斎宗匠と同じ世代の当主が揃いました。こうして代が繋がっていくのをこの眼で見届けることができ、本当に良かったなあと嬉しく思いました。