茶道というものは、まずは心を込めて点てていただいたお茶を、美味しく飲むことから始まるのだと思います。そして、それを足がかりにして、お茶の話をしたり聞いたりしながら、もっとお茶についてのいろいろなことを知りたいと興味を持つことが大切ではないでしょうか。お茶に関する話は尽きることがありません。茶入の仕服や服紗一つをとっても、裂のことも、模様のことも、調べれば調べるほど、つぎつぎと興味が増すものです。それがおもしろいと思えるようになると、さらに深くお茶のことを知りたくなるでしょう。お茶会に招かれたときに、自分が調べたことなどを話題にすることができるようになると、さらにお茶がおもしろく、そして豊かなものになります。その繰り返しで、少しずつ茶の道に近づくことができるのだと思います。
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