世界の喫茶文化
茶の湯の伝統
利休の茶の湯とその流れ
茶室と露地
形とふるまい
茶の湯の道具
茶の湯の楽しみ
静聴松風
茶人のことば
村田珠光「心の文」
武野紹鴎『山上宗二記』より
千利休『逢源斎書』より
その1
その2
その3
その4
その5
千道安「茶の湯道歌」より
千宗旦「元伯宗旦文書」より
千宗旦「茶杓絵讃」より
江岑宗左「江岑宗左茶書」より
千少庵 「少庵の事績 京都と会津」
随流斎『随流斎延紙ノ書』より
表千家の茶事
内弟子「玄関」の一年
茶の湯の歳時
茶の湯の菓子
茶室への誘い
利休をたずねる
花所望
この逸話は、利休の審美眼がいかにすぐれていたかを示したものといえるでしょう。こうした話は他にもたくさんあります。『江岑咄之覚(こうしんはなしのおぼえ)』には、安土城で明智光秀が青磁魚耳の花入を利休に見せた時、利休は5、6間(約9~10メートル)も離れたところから、その花入の特徴を的確に言い当て、光秀は肝をつぶしたといいます。また、『茶話指月集』という茶書には、細川三斎の式包丁を見せてもらった利休が、以前と爼(まないた)の厚さがごくわずかに薄くなっていることを指摘し、人びとを驚かせたという話があります。 利休の目利きは、利休が常に厳格なまなざしでもの事を見つめ、それをつきつめて見極めていく姿勢であったことを意味しているのではないでしょうか。 花を見ただけで、池坊がいれた花であることを見抜いたのも、利休は池坊の花を十分に知り尽くしていたからなのです。残念ながら、利休の専好の花に対する評価は記されていませんが、茶の湯と立花の名人の逸話としても興味深いものと言えるでしょう。
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