世界の喫茶文化

茶の湯の伝統

利休の茶の湯とその流れ

茶室と露地

形とふるまい

茶の湯の道具

茶の湯の楽しみ

静聴松風

茶人のことば

村田珠光「心の文」

その1

その2

その3

その4

武野紹鴎『山上宗二記』より

千利休『逢源斎書』より

千道安「茶の湯道歌」より

千宗旦「元伯宗旦文書」より

千宗旦「茶杓絵讃」より

江岑宗左「江岑宗左茶書」より

千少庵
   「少庵の事績 京都と会津」

随流斎『随流斎延紙ノ書』より

表千家の茶事

内弟子「玄関」の一年

茶の湯の歳時

茶の湯の菓子

茶室への誘い

利休をたずねる

花所望

村田珠光「心の文」その3
心の下地によりてたけくらミて、後まて、ひへやせてこそ面白くあるへき也
ところで、珠光の言葉に似た考え方は、すでに連歌の世界で語られていました。室町時代の連歌師、心敬法師(1406-75)は正徹(しょうてつ 1381-1459)の和歌を評して、「唐の詩なとの面影まで添ひ、たけ高く冷え氷り侍る也」と言っています。つまり、正徹の和歌には唐の詩の雰囲気も感じられ、品格の高い、冷え枯れた境地にあったというのです。まさに漢詩のよさを十分に味わい尽くしたのち、冷え枯れた境地に至った和歌であったのでしょう。
このように、珠光の茶の湯の美意識には、連歌の影響が深く浸透していました。また珠光の周辺には柴屋軒宗長(さいおくけんそうちょう 1448-1532)のようなすぐれた連歌師がいて、珠光はそうした人たちと交流があったことも十分に考えられるところです。
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Japanese Tea Culture