|
 |
 |

修業から戻ると早速お茶のお稽古に行きたいと言い出すと、両親がどこへ行かせれば良いのか随分迷っていた様子。というのも各流派のお家元が日頃の大のお得意さまですから。特に即中斎宗匠、淡々斎宗匠方は母が大変懇意にして頂いておりましたので、悩んでいたようです。
最終的に裏千家淡々斎宗匠の弟さんの井口海仙宗匠の所へ伺うことになりました。
木曜日の夜が遅くまで開いていて男性が多いというので毎週木曜日の夜に通う事にしました。
年を重ねる内にお稽古中に又終ってからしばらくの間、色んなお話を聞かせて下さいました。
井口宗匠の子供時代、表千家さんとの間の塀を乗り越えて即中斎お家元とお互いよく行き来して遊んでいたというお話や、全国を廻られるのでその土地土地でのお話や食べ物のことなど。やはり一番面白く聞かせて頂いたのが全国各地でおよばれをされた時のお茶事の話。
それ迄、店の仕事として店での茶事、又出張しての茶事などはやっておりましたが、井口宗匠の楽しいお話を聞く内、茶事の仕事がますます楽しくなって参りました。
何より勉強になったのは、井口宗匠が各流派のお家元方と大変仲良くされていた為、それぞれの流派のお茶事の話を聞かせて頂けた事は各流派のお茶事をさせて頂いている私にとってはその違いを知る又とない勉強となり、知識の蓄積となりました。それにしても最初の頃はこんなにも手順が違うものかと戸惑い乍ら面白さが沸いて来ました。
|
| |
|
|