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茶には独特な成分があります。第一はカフェインです。カフェインは人間の精神に覚醒作用を起こします。つまり眠気をとり頭をすっきりさせる、そういう効能があります。それは心の鬱屈(うっくつ)したものを取り除くという意味で、古くから心を癒(いや)す飲みものという性格を茶に与えてきました。茶の味わいはテアニンというタンパク質の一種がその効果を助けています。いわゆる茶のうまみあるいは甘みといわれるものが、このテアニンの舌に与える刺激といえるでしょう。テアニンがたくさん含まれる茶の葉は、覆い下でつくられた玉露や抹茶に強くあらわれます。
茶の渋みは
タンニンの持つ味わいです。タンニンという成分には、最近さまざまの細かい分類が加えられていますが、そのなかでカテキンといわれる成分が注目されます。カテキンは非常に大きな薬用効果を生む成分で、例えばガンを抑制する機能や高血圧あるいは心臓病に対する効果、あるいはインフルエンザウィルスに対する抑制効果、O-157の繁殖をとめる等々の効果が医学的に確認されています。
心を癒すカフェイン、味覚を満足させるテアニン、体の健康を保持するカテキン、こうした茶の持つ薬用効果あるいは心への癒しの力は、現代社会のなかでますます注目されるところです。

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Japanese Tea Culture

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