
竹が草庵の茶室にはよく使われます。軽く、しなやかな持味があって、建築用材には古くから使われてきました。特に民家に見られるように、茶室でも窓の連子や屋根裏の垂木や小舞はたいてい竹です。
このほか茶匠たちは、適材適所に竹を活用してきました。竹を使うことによって、手重い感じになるのを避ける工夫でもありました。しかし余り竹を使い過ぎると、意匠がくだけてくることにも配慮がありました。利休は「竹の柱」を立てることを嫌っていました。
竹はどことなく風流な趣を漂わせます。余り目立つ使い方をすると、部屋のたたずまい全体に引きしまった感じや静寂さをそこないかねません。
また茶室では目に見えない壁の中に竹が沢山使われているのです。壁を支える下地には割竹が使われてきました。杉丸太と言い、竹と言い、京都は昔から茶室に適した良質の素材に恵まれていました。
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