残月亭次の間の西に七畳があります。啄斎が古来の稽古の気分を守るように工夫した座敷で、松風楼ができるまで稽古場として使われていました。南側には入側(畳敷の縁)を付し、座敷を広げて使うこともできます。 大正10年(1921)惺斎によって新しい稽古場として松風楼が玄関の西に建て増されました。 八畳敷で東側から西側へ入側がめぐらされています。正面中央に間口(まぐち)一間(けん)の床、その右に琵琶台を設けています。如心斎が七事式のできる広間として好んだ座敷を手本としてつくられています。西側の南一間を二本襖の茶道口としています。床から琵琶台へ一線に落掛をわたしており、大きなはつり目を施した溜塗の床框が特に目を惹きつけます。 昭和34年(1959)松風楼の西に、新しい玄関と座敷などから成る新館が増築されました。この座敷の主室には八畳敷、中央に一間床、左に地袋、右に棚を設け、古図で伝えられる如心八畳が再現されました。
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