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『随流斎延紙ノ書』には南堂の墨跡だけでなく、利休ゆかりの道具のことがいろいろと記されています。それはおもに他所にある利休の道具でした。随流斎は招かれた茶会でそうした道具に出会うこともあったでしょうし、またそれを所持した人に頼んで見せてもらうこともあったでしょう。本書には、利休の道具の絵図と寸法、特徴などを記したものもあります。随流斎はできるかぎり、他所に所蔵される利休の道具に関する情報も得て、茶書に書きとめました。
道具を通じて、利休の茶の湯におもいを致し、その「こころ」と「かたち」を継承するとともに、のちの家元に伝えようとしたのです。今回とりあげたことばのなかにも、利休を慕う随流斎のおもいを読みとることができるのではないでしょうか。
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