茶の湯では、四畳半以上を広間、四畳半以下を小間と言っています。四畳半は広間にも、小間にもなりうる広さです。 小間は、台子をはじめ一切の棚物を用いないで、運び点前で使う茶室です。広間では台子をはじめ種々の棚物を飾って点前をすることができます。いわば小間はわび茶の世界であり、広間は書院の世界であります。 小間は飾りの場所は床だけに限定されますが、広間では、床のほかに棚や付書院も設けることができます。小間は天井も低く、出入口も小さく低いのに対し、広間は普通の座敷と変りなく、入側や縁のつくこともあります。 例えば四畳半台目は、四畳半より広くなりますが、台目構えが、小間の茶法ですから広間とは言えません。 茶室という言葉は、近代になって広まりました。昔は、たんに座敷とか小座敷、あるいは四畳半、三畳などと広さで呼んでいました。古田織部や小堀遠州たちは数寄屋と呼ぶようになりました。こんにちでは、もっぱら茶の湯に使う座敷を茶室、少し砕けた趣向の茶室風な建物が数寄屋と呼ばれているようです。
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