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茶の湯の稽古、お茶の稽古といえば、先のように薄茶の一服を頂く客の手順を習うことからはじまります。
やがて主人としてお茶の一服を点てることを稽古します。薄茶の点前をまず習い、やがて風炉をつぐこと、また更に濃茶とよばれる濃い抹茶ののみ方、その濃茶の点て方などと、少し長い年月を要しますが、お茶の稽古は次々と新しい段階にのぼってゆきます。
茶の湯の稽古の諸々の階程を示すのに免状・許状あるいは免許状、また相伝免状などいろいろの名でよばれながら、いずれもある教課を修得した者に与えられる証書があります。これは各流各派の家元によってその修行課程に応じて授与されるものです。茶の湯の稽古の内容は流派により様々ですが、何百年という稽古の教程の大切な集積です。短時間で修得するのはむつかしいことです。
しかし稽古への意欲を捨てることのないよう、ある期間の稽古をつめば、次第に上級に進み新しい免状を手に出来るよう、教課の階程が組まれています。
茶の湯の稽古は点前の手順の修得にとどまるものでなく、すなわち茶を点てる手順、茶をのむ作法にとどまらず、やがて茶の料理(懐石)の法を学び、茶と料理を組合せて「茶事」という客のもてなし方を身につけ、万般の道具の知識、道具の使い方に習熟しなければなりません。
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Japanese Tea Culture

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