【大意】
酷暑の時の茶の湯は、座敷を涼しくするのがよい。それが肝心である。
夏の暑さが厳しい時の茶の湯は、座敷を涼しくして客をもてなすことが肝心であると述べています。
では、座敷を涼しくするためにはどのようにすればよいのか、ここで江岑は何も記していません。しかし、同じ茶書のなかで、「あまりに暑くてどうにもならないときは、簾に水をうつ」と記しています。暑さをやわらげるため露地に打ち水をすることはよくおこなわれますが、簾に水を打つこともあったようです。また、江岑宗左よりのちの6代覚々斎の父、久田宗全の著した茶書には、「茶道口の前の勝手の口を開けて、風通しをよくする」といったことも書かれています。夏の暑い時は、客に少しでも涼しさを感じてもらうために、さまざま工夫が試みられていました。