茶の湯の稽古、一般にお茶の稽古とよばれますが、それにはまず茶室に座って、薄茶の一服を頂くことからはじまります。 茶室における客の座る位置は、通常床の間に近い方から正客・次客・三客と並びます。客は膝の前の畳の縁(へり)から8寸(約24cm)をあけて座ります。ここへ菓子をとる懐紙とか、頂く茶の茶碗を置きます。 さて、茶をのむ稽古といえば、それに先立って、菓子を取る稽古が必要です。 茶室に座った正客の前へ、主人はまず生菓子を食篭とよぶ器に入れ、蓋の上に黒文字という箸の一膳をのせてはこびます。つづいて干菓子をのせた盆も客にすすめられます。 正客は食篭や干菓子盆を縁外の上座に置いて、主人の茶を点てる姿に注目します。 主人が薄茶を点てるため、道具をはこび、点前をすすめますが、客は主人が茶碗に湯を汲んで茶筅をあらためる、「茶筅とうし」のはじまるのを待って、主菓子や干菓子をとりまわします。 菓子の取り方と薄茶をのむ手順をみて頂きましょう。
72
Copyright© 2005 OMOTESENKE Fushin'an Foundation. All Rights Reserved.